取引先が倒産した場合の債権回収方法とは?注意点などについても解説
取引している会社の業績が悪化して倒産した場合、売掛金などの債権を回収できないリスクがあります。
債権回収できない場合、自社の手元にある資金がショートしてしまい、他社の倒産と連動して経営が悪化することがあります。
今回は取引先が倒産した場合の債権回収方法や注意点について解説します。
取引先が倒産した場合売掛金はどうなる?
取引先が倒産した場合、売掛金や貸付金といった債権は、回収が困難になるのが一般的です。
ただし倒産手続きには、会社の財産を債権者全員に公平に分配するという「偏頗(へんぱ)弁済の禁止」という原則があります。
これは、特定の債権者にだけ優先的に弁済することを禁じるものです。
倒産した会社の資産は、破産管財人によって現金化され、その換価した資産を、債権者集会を通じて、債権額の割合に応じて公平に分配することになります。
このため、債権者は、倒産した会社から全額を回収することは難しいですが、債権額に応じた一部の金額を回収できる可能性があります。
ただし、換価できる資産が無く債権を回収できなかったり、倒産手続きには多くの費用がかかるため最終的に債権者に分配される金額は、債権額の数パーセント程度となるということも少なくありません。
取引先が倒産した場合の債権回収の方法
倒産した会社から債権を回収するには、次のような方法があると考えられます。
- 担保権を利用する
- 動産売買先取権を利用する
- 代物弁済を行う
担保権を利用する
取引先との契約時に、担保を設定していた場合、その担保権を行使して債権を回収することができます。
担保権には、抵当権や質権などがありますが、商品の売買では、所有権留保という仕組みがよく使われます。
所有権留保とは、商品の代金が完済されるまで、商品の所有権を売主側が留保しておくというものです。
これにより、取引先が倒産した場合でも、売主は商品を回収し、損害を最小限に抑えることができます。
ただし、所有権留保を行うには、契約書にその旨を明確に記載しておく必要があります。
動産売買先取権を利用する
動産売買先取権とは、売買した商品など動産の代金を支払ってもらえなかった場合に、その商品や売買代金に優先的に弁済を受けることができる権利です。
この権利は、相手方の合意が無く、契約書に記載がなかったとしても、民法に基づいて当然に発生します。
ただし、動産売買先取権は倒産した会社が第三者に商品を売却してしまったり、商品がどこにあるか分からなくなったりすると、行使することが困難になります。
したがって動産売買先取権を行使するには、その商品が倒産した会社の元に現存していることが条件になることが多いです。
代物弁済を行う
代物弁済とは、債務者が、本来支払うべき金銭の代わりに、不動産や車といった他の財産を債権者に引き渡すことで、債務を消滅させることです。
倒産した会社が、手元にある財産を債権者に引き渡すことで、債権者はその財産を換価して債権を回収できます。
しかし、代物弁済は、倒産手続きにおける偏頗弁済とみなされ、破産管財人によって無効にされるリスクがあります。
代物弁済を行う場合は、破産手続き開始の申し立て前に、弁護士と相談し、法的に問題がないかを確認すべきです。
倒産した会社から債権回収を行うときの注意点
倒産した会社から債権回収を行う際には、以下の注意点を守る必要があります。
行使する権利が相手の同意が必要な場合には契約を交わしておく
担保権や所有権留保など、相手の同意が必要な権利を行使する場合は、契約書にその旨を明確に記載しておくことが不可欠です。
契約書に記載がなければ、これらの権利は行使できません。
また、契約書は、公正証書として作成しておけば、法的な拘束力を持つため、万が一の事態に備えることができます。
偏頗弁済を迫るような行為はしない
倒産した会社に、特定の債権者だけを優遇するような行為を迫ると、破産管財人によって無効にされるだけでなく、その行為自体が違法行為とみなされるリスクがあります。
債権者はあくまで法律に則って回収を目指すべきです。
まとめ
今回は取引先が倒産した場合の債権回収の方法や注意点について解説しました。
倒産した会社の債権を、自社で行おうとすると知らぬ間に違法行為をしていたり、最悪の場合、犯罪行為とみなされてしまう可能性があります。
そのため、できることならば手段の幅がある、倒産の手続きの開始前に債権回収を行っておきたいところです。
ただし、なかなか交渉が難航する場合もあります。
そのため、経営が悪化している会社や倒産した取引先から債権をできるだけ回収したいと考えた場合には、弁護士への相談を検討してみてください。
野村優介法律事務所が提供する基礎知識
弁護士紹介 LAWYER

弁護士野村 優介
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私は、生まれも育ちも播磨地域であることから、姫路エリア・播磨地域の皆様に密着した法律サービスをご提供しています。 悩みを抱えているご相談者様のお話を丁寧にお聞きし、最善の解決策を提案できるよう心がけています。
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- 兵庫県弁護士会(54151)
- 経歴
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- 平成24年 神戸大学 法学部 卒業
- 平成26年 京都大学 法科大学院 修了
- 平成28年 弁護士登録
- 平成29年 山崎喜代志法律事務所 入所
- 令和04年 野村優介法律事務所 開所
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